2010年11月13日土曜日

電子譜面台

やくぺん先生のブログを読んでいて、思わずグッと来たネタです。

件のブログにはボローメオ弦楽四重奏団(Borromeo String Quartet)の話が時々出てくるのですが、CD主体の演奏活動にさっさと見切りをつけて、実験的な試みを結構やっているようで、これがなかなか面白い。なかには、弦楽四重奏と関係なくおもしろい話もあります。それがこれ。
パソコンで動く電子譜面台です。パソコンの画面上に電子版の楽譜を表示させ、フットペダルで楽譜をめくることができる。特殊なペンで画面を触ると、楽譜に書き込みもできる。と、こういう代物です。上記のブログに写真があるので、ぜひご覧あれ。Macで動いているようですね。

個人的にぐっときたのが、次の話。件のブログから引用します。
譜面はデータ化されてハードディスクに入っており、足りない場合はボストンの自宅サーバーからダウンロード出来るらしい。
言われてみれば当たり前の話なんですが、インターネットに接続さえ出来れば、楽譜を全部持ち歩いてなくても適宜ダウンロードすれば良いんですよね。iPadを普段オフラインで使う習慣がついていて、逆にこういう所が見えなくなってました。

練習する楽譜を自宅に忘れたけど、ダウンロードすれば大丈夫、とか。

選曲のミーティングの場で、即座に楽譜をダウンロードして、みんなで見る、とか。

舞台袖で「今日のアンコールどうしよう?」とその場で相談して楽譜をダウンロードしてステージへ、とか。

嬉しくありません?

Macだと重いし、iPadでもまだ重いので、もっと軽くてバッテリーがもちそうなデバイスでこういうことができたらいいなあ。

ボローメオ弦楽四重奏団が実際に電子譜面台を使って演奏している様子がYouTubeにあるので、貼りつけておきましょう。ほんとにこれでやってるんだ…

2010年11月12日金曜日

クラシック音楽から見たAmazon MP3

ご存じの方も多いと思いますが、日本のアマゾンで音楽のダウンロード販売が始まりました。形式はMP3の256kbps可変ビットレート、DRMなしでの販売ということになっています。このサービスは海外のamazonではすでに始まっているもので、その先駆である米amazonでは2007年にはスタートしていました。日本ではようやく3年遅れで始まったことになります。

Amazon MP3スタートはかなり話題になっています。それは、メジャーレーベルが関与する日本のダウンロード販売サービスの中で、MP3という汎用性の高い形式を採用したこと、初めて完全にDRMフリーを実現したことが理由になっていると思われます。例えば、iTunes Storeでの形式はMPEG4 AAC、DRMは付いているものと付いていないものが混在しています(ビットレートはDRM付きが128kbps、DRMなしが256kbps)。moraはATRACとWMAを採用していて、すべてDRM付きのようです。海外の場合は、Amazon MP3の出現によって、音楽のダウンロード販売はDRMフリーが標準という流れができ、程なく、iTunes Storeも完全DRMフリーが実現されました。

ただし、日本でのサービス開始にあたり、アマゾンがなにか特別な交渉を行ってDRMフリーを実現したのかというと、今のところはあまりそうは感じられません。というのは、ざっと品揃えを見た限りでは、今までiTunes StoreでDRMなしで出品されていた曲しか見当たらないからです。だから、国内のメジャーレーベルだと東芝EMIばかりが目立っているわけです。クラシック音楽もEMIが目立っています。これは今のところマイナーレーベルが出品されていないからのようで、徐々に改善されてくると思われます。

ところで、クラシック音楽というのは、ダウンロード販売の中ではかなり特異なジャンルで、日本のiTunes Storeでもすでに殆どの楽曲がDRMフリーで販売されています。DRMが付いているのは、DENONなど国内レーベル、海外のメジャーレーベルの一部(Deutsche Grammophon, Deccaなど)くらいでしょう。しかも、classicsonline.comやDeutsche Grammophonなど、かなりの規模の海外ダウンロード販売サービスがいくつも立ち上がっていて、日本からも制限なく利用することができます。その意味で、Amazon MP3の影響は、ポピュラー音楽ほど大きくはないだろうな、と思っています。

価格設定にしても、iTunes StoreとAmazon MP3はほぼ同じようです。Amazon MP3で「これは安い!」と思ったアルバムも、iTunes Storeで調べてみると、何だ、同じ価格やん、という経験を何度もしました。

ではAmazon MP3が不要なのかというと、そんなことはありません。ほんとに安くなっているアルバムもあるようです(私が発見したのはジャズですが)し、今後品揃えも変わってくるかもしれない。日本語が使えるというのも、人によっては利点でしょうし、そもそも選択肢が増えるのはいいことです。

使い勝手の面でも、Amazon MP3は面白いところがあります。CDとMP3が両方出品されている場合、CDのページに、MP3ダウンロード販売へのリンクが現れるのです。私は最近、CDというメディアはなるべく買いたくないなあ、と思っているので、CDのページにこのリンクが出ていたら、迷わずダウンロード販売を選ぶでしょうね。

Amazon MP3、今後も注目していくつもりです…というか、使うことが出てくると思います。

2010年11月10日水曜日

ミロ四重奏団のポータルiPhoneアプリ

弦楽四重奏関連で最近見つけた面白い試みを紹介します。一つ目は、ミロ四重奏団(Miro Quartet)というアメリカの弦楽四重奏団にまつわる話です。

最近はクラシックの音楽家と言えどちゃんとしたホームページを用意しているのは当たり前、ブログ、演奏音源のサンプル、YouTubeの独自チャンネルあたりも珍しくなくなりました。

しかし、ミロ四重奏団のプロモーションは更に先を行っています。なんと、ポータルサイトならぬポータルiPhoneアプリを無料で配布しているのです。
http://itunes.apple.com/jp/app/miro-quartet/id326497180?mt=8

早速ダウンロードして、少しいじってみました。最初にユーザ登録を求められます。登録すると、彼らの活動のニュース、ブログ、写真、演奏サンプル、動画など、凡そ演奏家のポータルサイトで提供されていそうな情報がすべて用意されていました。だから情報の中身はそれ程珍しくはない訳で、これがiPhoneアプリになっているというところが興味深い。

自らを振り返ってみると、最近音楽を聴くのはほとんど屋外です(残念ながらiPhoneではなくiPod touchですが…実はiPhone4の白モデル待ちなんです…)。そういう場合に、演奏家の情報を、屋外でもその場で得られるというのはメリットがありますし、そのための専用アプリを用意するというのもうなづけます。いくらフルブラウザでWebが見られるとは言っても、専用アプリのほうが手軽ですもん。まあしかし、アーティスト専用アプリというのは、私にはやっぱり驚きでした。

因みにこのアプリ、ミロ四重奏団が独自に作っているものではありません。InstantEncoreという、クラシックの演奏家専門にインターネットでのプロモーションを行う企業がありまして、そこのプレミアムサービスとして提供されているものです。いくら位でやっているものなのか、果たしてペイするだけのプロモーション効果があるのか、興味があるところです。