続けて、2月の注目新譜をもう一つ紹介します。バッハ・コレギウム・ジャパンによる、バッハのモテット集です。一言でいうと「やっときたか!」、そんな感じです。
Bis (2010-02-23)
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日本で一番うまい合唱団を挙げるとしたら、私は、バッハ・コレギウム・ジャパンを挙げるでしょう。日本で「うまい」と評価できる合唱団はいくつかありますが、たいていは、ヨーロッパの超一流合唱団と演奏を並べて聴くと、見劣りしてしまいます。明らかに差があるんですよね。そんな中で、バッハ・コレギウム・ジャパンだけは、全く遜色を感じません。私も合唱をやっていますから、これがどんなにすごいことか、よけいに強く感じます。
鈴木雅明氏の音楽自体も、たぶん性に合っているのだと思います。鈴木氏の弾く平均律クラヴィーア曲集は、チェンバロを使ったものとしては、最もすっと耳に入ってくる演奏でした。愛聴盤の一つです。
そんなにお気に入りのバッハ・コレギウム・ジャパンなのですが、個人的に一つ困ったことがありまして…私、どうにも、管弦楽付きの合唱というものにほとんど関心がないのです。バッハも例外ではなく、カンタータはもちろんのこと、受難曲、ロ短調ミサでさえ、積極的に聴く気になれません。合唱の響きに管弦楽が混じる時点で、基本的にダメなのです。ちなみにモツレクや第九もそうですので、我ながら実に徹底していると思うのですが…そんなわけで、せっかくのバッハ・コレギウム・ジャパンも、これまで聴きたいものがとても限られていて、悲しい思いをしてきました。最初に「やっときたか!」と書いた気持ちが、これで分かっていただけますでしょうか。
バッハのモテットは、超有名曲でありながら、なかなか名演の録音がない合唱曲の一つです。これまでの私の決定盤は、リアス室内合唱団のものでした。合唱団は超一流ですし、ルネ・ヤーコプスの指揮ということで、バッハらしい演奏が聴けるということで、申し分なしです。これと聴き比べをしてみました。
キング・インターナショナル (1997-06-21)
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音楽の作りとしては、リアス室内合唱団の演奏がきびきびしているのに対し、バッハ・コレギウム・ジャパンのほうはしなやかに流れていくような感じです。合唱団の響きは、リアス室内合唱団はいかにも合唱団らしいのに対し、バッハ・コレギウム・ジャパンのほうは声楽アンサンブルといった感じで、個人の声がよく見えつつ、響きの調和は崩れていません。リアス室内合唱団はいわゆる合唱的、バッハ・コレギウム・ジャパンは古楽的な演奏といえるでしょうか。どちらも捨て難い(別に捨てなくてもいいんですが…)。
私にとっては、バッハのモテットの決定盤2枚目、その日の気分によって聞き分けるということになりそうです。

