2009年8月28日金曜日

コンクール、インフルエンザ、インターネット

新型インフルエンザの流行により、今年の福島県合唱コンクールは非公開で行われることになったそうです。下記は公式な報道ですが、私が日頃チェックしているブログでも言及されていらっしゃる方が複数いました。



これらのページによると、福島県内で新型インフルエンザが流行している状況を受け、観客席には審査員と役員以外の聴衆を入れずにコンクールを実施するということです。演奏団体は、演奏終了後速やかにホールから退出を求められています。コンクールの結果は後日、福島県合唱連盟のホームページにて公開する、ということです。

驚きの報道でしたが、冷静に考えてみて、この判断がよかったのかどうか、私は直ちには答らないなあ、と思いました。審査員しかいない客席に向かって歌うという形は異様だと思う反面、他校との合同合宿などで感染が広まった事例が報道されていますから、コンクールの場での感染の広がりを防ぎたいという意図も分かります。

それで思い出したのが、次の報道です。これについても何か書こうと思いつつ、数日放置されていたのでした。


Nコンのブロック大会をインターネットでライブ配信するよ、という話です。九州ブロックコンクールが8月27日と28日(昨日と今日じゃないか!もっと早く書くべきだった)、関東甲信越ブロックコンクールが9月5日と6日、東北ブロックコンクールが9月12日と13日、となっています。技術的にはJavaアプレットによるP2P配信ということなので、必要なのはWebブラウザとJava Runtime Environment(JRE)だけのようです。Windows(2000/XP/Vista)でもMacでも閲覧できます。詳細はNコンライブのページをご覧下さい。

最近、インターネットを介した動画配信は技術の進歩が著しく、条件次第では普通のパソコンが1台あれば動画の配信が出来てしまいます(例:ustream)。技術系の講演会やセミナーなどは、こういう形でどんどん動画配信されているんですね。回線等の状況で、配信が切れたりもするので、Nコンのような公式配信に使うには不安定かもしれませんが、ともかく、現状はそれくらい技術が進んできているわけです。

で、もとの福島県合唱コンクールの話に戻ると、こういう動画配信などの技術を役立てることはできないのだろうか、と思います。

自分がコンクールに参加した経験からいうと、歌うときに聴衆がいなくても「まあ仕方ないか」で済ませられますが、自分が他団の演奏を聴けないとか、知人に自分たちの演奏の感想を聞けないのはかなり辛いです。それは、審査員の評価とは別に、自分たちの演奏の出来をなるべく客観的に評価したいという気持ちがどこかにあるからで、こういう自分なりの評価を持つことで、良くも悪くも審査結果を受け入れるのだろう、と、思います。

聴衆がいないコンクールであっても、動画配信等を通して、他団の演奏を聴いたり、知人に自分たちの演奏を聴いてもらえたらどうだろう。あるいはリアルタイムでなくても、YouTube等で演奏が公開されたらどうだろう。生で聴くのとは全然違うということは百も承知で、それでも一切公開されないよりはずっとましですよね。

今年は間に合わないだろうとは思いますが、将来的に、インターネットをうまく利用する方向に進めば良いのに、と、一連の報道を読んで感じました。

2009年8月13日木曜日

Eric Whitacre's Virtual Choir

ウィテッカー(Eric Whitacre)についてはこのブログでも何度か取り上げたことがあります。彼のホームページブログを見ていると、ほんとにインターネットが好きなんだなあと感じます。


そんなウィテッカーがまた面白いことをやってくれました。プロジェクト名は "Eric Whitacre's Virtual Choir"。まずは、その成果をご覧下さい。曲はウィテッカーの "Sleep" です。



クラシックの世界で「YouTube」「Virtual」というと、YouTube Virtual Orchestra がすぐに思い出されます。でも YouTube Virtual Orchestra はオーディションをYouTubeでやったものの、最終的には実際に集まって演奏をしたのでした。Eric Whitacre's Virtual Choirは本当に Virtual です。歌い手は多分一度も、お互いに顔を合わせていません。

歌い手は、あらかじめウィテッカーがYouTubeに投稿した指揮者の動画を見ながら自分のパートのみを歌い、その動画をYouTubeに投稿します。ウィテッカーがこれらの動画の中からいくつかを選択して編集してできたのが、上の映像というわけです。YouTubeを使ってオーディションを行う辺りはYouTube Virtual Orchestraと同じですが、その後の合唱団編成をディジタル技術だけで行ってしまうあたり、かなり野心的と言えます。短い合唱曲だからこそできる試みとも言えます。

実はこの話を見たとき、最初に連想したのは次の動画でした。


SOURという日本のアマチュアバンドが作ったプロモーションビデオです。公開直後はTwitterやらブログやらでかなり話題になったものです。見ていただくと分かる通り、凝りに凝っています。どれだけ手間がかかってるのやら。

で、なんと、ウィテッカーがこのプロモーションビデオのことをブログに書いてるんです。「実にcoolだ。自分のVirtual Choirももっと頑張らないと」って。しかもこのブログが書かれたのが、プロモーションビデオが公開されてからたった2週間後ですよ。

ウィテッカーって、いったいどれだけインターネット感度が高いんだ…

2009年8月12日水曜日

BBC Proms 2009、開催中


英BBCの毎年主催する音楽祭 Proms が、今年も7月17日から9月12日まで開催されています。


約2ヶ月間の間、毎日コンサートが開催されるのですが、BBCがやっているわけですから、もちろんこれだけではありません。コンサートは全てインターネットラジオで実況中継されます。さらにコンサート開催後7日間はアーカイブ音源を聴くことができます。ストリーミング配信はバイロイト音楽祭なんかもやっていたりするのですが、期間、コンサートの数や多彩さ、これらの点から BBC Proms はインターネットラジオ好きのクラシックファンとしては実に一大イベントです。

プログラムを眺めていくと、オーケストラのコンサートがかなり多いということが分かります。ただし、それ以外のコンサートもあります。私のお目当てはアカペラの合唱、それと個人的に好きな室内楽などということになるのですが、ざっと以下のプログラムが面白そう、と思いました。既に終わっているものもありますが、その辺はご容赦を。
  • 2009/07/20, The Cardinall's Musick: ヘンリー8世とその周辺
  • 2009/07/24, Orchestre National de Lyon: 武満徹の An Autumn Ode と Green
  • 2009/07/28, Monteverdi Choir: バッハのモテット
  • 2009/08/03, Belcea Quartet: ハイドンとブリテンの弦楽四重奏曲
  • 2009/08/12, The Sixteen: ヘンデルの「ソロモン」など
  • 2009/08/29-31, 室内楽コンサートが集中的にある
  • 2009/09/11, Yo-Yo Ma と Silk Road Ensemble
最後のはクラシックじゃないですけど、もともと Yo-Yo Ma は好きなのに加えて、NHKスペシャルの「新シルクロード」で聴いて以来、夫婦ともども好きなんです。

7日間しかアーカイブ音源が公開されないのは痛いのですが、面白そうなコンサートはなるべく録音しておこうと思ってます。ああ、またこれで未整理の録音が増えてしまう…