2009年6月11日木曜日

ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのストリーミング配信

辻井伸行さん、マスコミでの報道が増えて一種フィーバー状態になってますね。CDの売上も好調なようですし(というか、これを書いている時点で、アマゾンの音楽部門全体で売上2位ですよ)、iTunes Storeでも「debut」が全部門アルバムチャートの7位にランクインしてます。クラシックとしては稀に見る盛り上がりです。

さて、ここでは辻井さんそのものの話ではなく、辻井さんがグランプリを受賞したヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(Van Cliburn International Piano Competition)について書いてみます。ピアノ演奏はレビューを書けるほど聴いているわけではないですし、そもそもレビューはあまり得意ではないので…

このコンクールでは、今年の予選、準決勝、決勝すべての演奏をWebcast、つまりWebでストリーミング配信しています。コンクールの演奏をストリーミング配信するというのは珍しいことではなく、全日本合唱コンクールでも過去に1度だけ全国大会をストリーミング配信したことがあるのですが、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのWebcastは気合いの入れ方が半端じゃないです。

まず、実際に映像を見ていただくと分かる通り、複数台のカメラを使った本格的な映像を配信しています。後でDVDのような商用パッケージに転用しそうな水準です。

技術面からも気合いがうかがえます。映像配信にSilverlightを利用しているのです。SilverlightはMicrosoft社が開発したWebコンテンツ閲覧技術で、Windows以外の環境でも動作することから注目を集めているものです。日本でも、動画配信サービスGyaoがSilverlightを採用しています(報道記事)。私が注目したのは、Silverlightがかなり新しい技術であるという点で、YouTubeに採用されているFlash Videoよりも扱える技術者数が少なく、配信設備(ハードウェア、ソフトウェア)も最新のものを用意しなければなりません。つまり、それだけストリーミング配信に投資しているということです。

ここまで本気でストリーミング配信に取り組んでいるということは、単なるボランティア精神ではなく、何らかのビジネスモデルが裏にあるのかな、という気もします。少々うがち過ぎかもしれませんが。

ちなみに、クライバーン財団のページを見ると、過去のコンクールの演奏を閲覧するには有料会員になる必要があるようです。コンクールのページのURLに年号が入っていない(http://www.cliburn.tv)であることからも、いずれ、無料で今年度の演奏を聴くことはできなくなるように思われます。辻井さんの演奏を聴くなら、今のうちということですね。


debut
debut
posted with amazlet at 09.06.11
辻井伸行
エイベックス・マーケティング (2007-10-24)
売り上げランキング: 2