最近聴いて「これは凄い!」と思った音源を紹介します。とはいえ2002年に発表されたCDですし、ご存知の方も多いと思います。スウェーデンのアカペラグループ The Real Groupの「Stämning」というアルバムです。邦題は「スタムニング」となってますが、どう考えても「ステムニング」のほうが近いと思います。スウェーデン語で、手元の辞書では英語の pitch, key, tune という意味とあります。
アカペラグループの演奏というと、ポップスやジャズの曲が多いですよね。彼らも普通はそうです。が、このアルバムだけはそうじゃない。スウェーデンの伝統的な歌曲をクラシックの合唱スタイルで演奏しているのです。取り上げているのはアルヴェーン、ステンハンマー、ペッテション=ベリエル、ウィカンダー、リンドベリなど。例えば、アルヴェーンの Uti vår hage、ステンハンマーの Sverige や I Seraillets have (3つの合唱曲の第2曲ですね)などは北欧ものファンでなくても一度くらいは耳にしたことがあると思います。
しかも、このアルバムではあのエリック・エリクソンが指揮をしています。ただ、この組合せ自体は変なことではありません。The Real Group のメンバーは元々スウェーデン王立音楽アカデミー(Kungl. Musichögskolans)の学生で、在学中に The Real Group を結成したのだそうです。一方、エリック・エリクソンも1951年からスウェーデン王立音楽アカデミーで教鞭をとっています。在学中にエリクソンと出会っていたのでしょう。というか、在学中は合唱団に属していたとか聞いたことがあるような?
で、演奏なのですが…これがとてつもなく美しい。無駄な力の入っていない、アカペラグループらしいとても心地の良い響きを基調にして、息遣い一つ一つに微妙な表情の変化を乗せ、繊細な音楽を聴かせてくれています。5人の息遣いの合い方も絶妙です。多くの曲はいろいろな合唱団の演奏を聴いたことがありますが、こんなに静謐で繊細でニュアンスの豊かな演奏を聴いたのは初めてです。少人数アンサンブルでこんな演奏ができたらなあ、やりたいなあ、と心底思います。
合唱をやる人なら一度は聴いてほしい、それくらい素晴らしいアルバムです。
ちなみに、The Real Group のオフィシャルサイトでDRMなしMP3形式のダウンロード販売をやっています。10ユーロと、ダウンロード販売としてはちょっと高めですが、ここで買うというのもありです。というか、私はダウンロード販売で買いました。
2008.04.25. 追記:よく見ると、このアルバムタイトルは、最後の曲であるペッテション=ベリエルのStemningと同じ発音ですね。たぶん、これとかけているんでしょう。というわけで、やはり「ステムニング」が近いと思います。
ザ・リアル・グループ&エリック・エリクソン
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