2007年8月17日

私流インターネットラジオの聴き方(5) - 録音した番組を編集する

第4回目を投稿してから2ヶ月くらい経ってしまいました…忘れていたわけではなかったのですが、後回しになっていました。

さて、このシリーズの最後に取り上げるのは、録音した番組を編集する作業についてです。経験上、この作業を以下に効率よく、かつマメにやっておくかが、とても重要だと思っています。貴重な音源であっても、単にファイルとして残しておくだけでは「ディスクの肥やし」になってしまい、活用が充分できません。必要な部分を録音から切り出し、曲名や作曲家、演奏団体などのタグ付けをし、iTunesなどの音楽管理ソフトに放り込む、という作業をしてはじめて「音声ファイル」が「音楽」として活用できるようになるわけです。

編集作業は通常、波形エディタを使って(1)正規化(normalize)で音声レベルを調整(2)不要な部分のカット(3)タグ付け(4)曲ごとに保存、という一連の操作を行うことになります。タグ付けは後で別のソフトで行う場合もあります。しかし、実は、この一連の作業が案外めんどくさいのです。

まず、時間がある程度かかります。慣れてくると、波形を見るだけでアナウンサーのナレーションなのか、楽曲なのか、大体区別できるようになるので、アタリをつけて素早くお目当ての曲を探し出すことができるようになってきますが、それまでは実際に聴いて探すことになってしまいます。曲を探し出した後の作業、つまり不要な部分のカットも、波形エディタごとに操作が違います。この部分がいかに効率よくできるかが、編集に要する時間をかなり左右することになります。

次に、波形エディタの扱う音声フォーマットの問題があります。通常波形エディタは、WAV形式、AIFF形式などの非圧縮音声フォーマットを編集します。MP3などの圧縮フォーマットを扱える場合でも、非圧縮音声フォーマットにデコードしてから編集することが多いようです。そのため、番組の録音の編集作業では(1)ソフトが重い(非圧縮音声フォーマットはほぼ1分10MBなので、2時間番組だと1.2GBにもなる)(2)再エンコードによる音質の劣化、が問題となります。

しかも、インターネットラジオの録音を毎日のようにやっていると、どんどん録音がたまっていきますから、ちょっとでもこの作業にストレスがあると、結局続かなくなって聴かなくなっていく、ということになりそうです。

こういう問題があるので、音楽製作で用いられる汎用波形エディタよりも、番組の編集作業に特化したエディタのほうが効率が良いように思われます。私が愛用しているのは、Rogue Amoeba社のFissionというソフト(シェアウェア)です。

Fissionのいいところは、圧縮フォーマットを再エンコードなしに編集できる点、編集操作が使いやすい点、タグ付けがFission内でできる点、この3点になると思います。

まず編集に関して。Fissionでは、分割ポイントを新たに置くことで音声が分割されます。分割ポイントの設置はキー操作一つでできますので、録音を聴きながら、ここぞというところで分割ポイントを設置してあげるだけで、再生を止めることなくナレーションと曲とを分割するといったことができるわけです。すでに設置した分割ポイントを移動することも自由にできますし、削除すると、分割された音声が合併されます。また、これらの分割操作は、保存することで初めて実際にファイルに反映(つまりいくつかの音声ファイルに分割して保存)されることになります。保存するまでは、どれだけ操作をしても元のファイルが書き換えられることはありません。

次にタグ付けに関して。分割された音声区間それぞれに対してタグ付けを行うことができるのですが、ここもよく考えられています。タグ情報の一括コピー&ペースト(組曲なんかのタグ付けのときにめちゃ便利です!)、iTunesライブラリに入っている演奏者名やアルバム名、作曲家名を補完してくれる機能などを用意しています。

後半はFissionの宣伝になってしまいましたが、MacOS X環境で音声の編集作業を頻繁にする場合はすごく便利です。お勧めソフトです。

2007年8月8日

Český rozhlas D-Dur - Brandenburg Concertos (Český rozhlas)

Český rozhlas D-Dur - Brandenburg Concertos (Český rozhlas)

合唱ネタではないのですが、興味深い話なので、ここに書いておくことにします。元ネタはここです。

チェコスロバキアのラジオ放送局 Czech Radio が、バッハのブランデンブルク協奏曲の全曲を録音し、ダウンロードできるようにしています。演奏家はMusica Floreaというチェコの古楽アンサンブルです。

注目すべきはダウンロードの形態でして、MP3のほかに、可逆圧縮形式のFlacでもダウンロードできるようにしています。もちろん誰でもダウンロード可能で、何らかの登録が必要ということもありません。Flacはライセンスフリーの音声フォーマットで、エンコーダ、デコーダともオープンソースで公開されています。そのため、Linuxなどでも対応していることが多いですし、WindowsやMacでもさまざまなソフトが公開されています(一つの例がVLC)。

MP3の音源を公開しているケースはよくありますが、これだけまとまった楽曲を可逆圧縮形式でも公開するというのは初めて知りました。多くの団体を聴き比べている曲ではないので、第一印象だけですけど、演奏の質も悪くないように思います。音楽ファンの立場に立った、すばらしい試みだと思います。