2007年12月21日

Deutsche Grammophon、DRMフリーのダウンロード販売を始める

1ヶ月ほど前のことになりますが、クラシックの大手レーベルDeutsche GrammophonがDRMなしのダウンロード販売を開始しました。形式はMP3、320kbpsという高音質が売りになっています。もちろん日本からも購入可能です。DRMなしですから、MP3対応のソフトや音楽プレイヤーならどれでも再生できるわけです。

ただ、この話、あまり素直に喜べないところがあるように思います。

まず、こういうサービスを始めたにも関わらず、iTunes Storeで販売されているDeutsche Grammophonの楽曲は相変わらずDRMつきであること。次に、Deutsche GrammophonがUniversal Musicの傘下にあるということ。この2点から、なぜ唐突にDeutsche Grammophonがこういうサービスを始めたのか、透けてくるように思います。

最近Universal MusicはAppleと距離を置こうとしています(参照記事)。グループの米TV局NBCの番組をiTunes Storeから引き上げて独自に販売を始めましたし、音楽についてもiTunes Storeからの引き上げも含めてAppleと交渉中、というような話もあります(参照記事)。原因は価格にあるようで、要するにiTunes Storeでの販売価格をもっと上げて、Universal Musicに入るお金をもっと増やせ、と言っているようです。

今回のDeutsche GrammophonのサービスはUniversal Musicの戦略の一環であり、Appleからの顧客の引き離し、DRMなし・高音質などの付加価値付きダウンロード販売の反応を探る、などが目的であるように思われます。実際、販売価格はiTunes Storeよりやや高めで、アルバム1枚あたり11.99ユーロ、約2000円です。

そもそも、iTunes StoreでDRMが導入され、かつ国境を越えた販売ができないのはなぜか。レコード会社側がそういう条件を求めたからでしょう。それを、iTunes Storeが成功しAppleが主導権を握ったというだけの理由で、自分たちが当初求めた条件を自ら覆しiTunes Storeを潰しにかかるというのは、いかにも下衆なやり方です。こういうことをする連中が販売の主導権を握ったら、ライバルを潰した後で「違法ダウンロードを防ぐためにDRMを導入する」などと言いかねません。

こんなわけで、私はDeutsche Grammophonの今回のサービスは好きになれません。よほどほしいものがない限り、購入しないと思います。そもそも高いし、音質は今のiTunes Storeのもの(AAC 128kbps)で十分満足してます。さらに言えば、合唱はDeutsche Grammophonにはあまりいいのがないので、買いたいものがほとんどなかったりしますし。

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